兵庫県北部(但馬地方)・養父市八鹿町(やぶしようかちょう)に本社があるバス会社「全但バス」(ぜんたんばす)。
この全但バスさんが運行する昼行高速バス「城崎温泉・豊岡~大阪線」「浜坂・湯村温泉~大阪線」の一部便は「完全個室」のある「ラグリア」車両で運行されています。
この記事では、昼行便バスとしては日本唯一の完全個室「ラグリア・グリーンルーム」の乗車記(城崎温泉→大阪)を写真盛りだくさんでお送りします。ぜひ最後までご覧ください。
「昼行便」高速バス完全個室は日本唯一!日本初の「バスビュー」も搭載
日本唯一の「昼行便」完全個室バス!
ラグリア(グリーンルーム)は、日本で唯一の「昼行便」の個室バス。
「夜行バス」の個室は、東京~大阪・奈良で運行される「ドリームスリーパー」など 他にもあるのですが、「昼行便の個室バス」となるとこの全但バスのラグリア(グリーンルーム)が日本で唯一なんですね。
日本初!個室内大型モニターで車外カメラ映像を楽しめる「バスビュー」
ラグリア・グリーンルーム(城崎温泉・豊岡~大阪線 一部便限定)には、個室内の大型モニターで車外カメラ映像を楽しめる日本初のシステム「バスビュー」があります。
飛行機の機外カメラとか、京成スカイライナーの前面カメラみたいなのが、バスの個室内で楽しめるんだね!
【乗車記】ラグリア・グリーンルーム(高速バス個室)で城崎温泉→大阪へ
この日乗ったのは、グリーンルーム(個室)付き「ラグリア」で運行される「003便」の始発から終点まで。
城崎温泉駅12時00分発→大阪・阪急三番街15時18分着、3時間18分の高速バス個室の旅です。
座席指定予約制のバスなので、事前にネットで予約しました。
便名・乗車区間 | 003便・城崎温泉駅12:00分発→大阪15:18着 |
走行距離 | 169km |
所要時間 | 3時間18分 |
途中休憩回数(場所) | 1回 (道の駅 あおがき) |
片道運賃・個室料金 | 一般大人4,100円+個室料金1,600円 |
のりばは、城崎温泉駅バス停、JR城崎温泉駅前ロータリー脇の「さとの湯」(休業中)の横です。
バスは、発車予定時刻の10分ほど前にやってきました。
車体は、三菱ふそうのAERO ACE(エンジン:直列6気筒 7.7L シーケンシャルツインターボ ディーゼル・最大出力280kW(381馬力)・最大トルク1,400N・m (143kgf・m))かな。
AERO ACE かっこいいよね~!
バス車内 後方左手に個室「グリーンリーム」が2室
さて、乗車。
私は バス予約サイト「発車オーライネット」で予約したので、メール乗車票を運転手さんに見せて乗車しました。
ぱっと見 普通の高速バス(お手洗い付き)ですが、車内左後方(写真中央奥)に完全個室「グリーンルーム」が2室あります。
なお、あとで書きますが、乗車時に運転手さんから ARグラス「NrealLight」のセットを受け取ります。
こちらが、このバス(ラグリア)に2室だけある個室(グリーンルーム)。
この個室に 終点大阪(阪急三番街)までお世話になります。
個室内から見ると、こんな感じ。
普通の座席4席分のスペースを1室の個室に費やしています。贅沢ですねぇ。
シートのリクライニングは、ご覧のとおり すんごい倒れます。
もちろん 個室なので 後方のお客さんに気を遣うこともありません。
このバスの個室は、カーテンなどで仕切られただけのものではなく「ドア」がついた「完全個室」タイプ。
個室ドアのつまみを回して 個室内側からカギをかけることもできます。
写真左は、個室内のモニターで車外カメラ映像を楽しめる「バスビュー」用のリモコンです。
個室内で車外カメラ映像を楽しめる「バスビュー」
ラグリア・グリーンルーム(城崎温泉・豊岡~大阪線 一部便限定)には、個室内の大型モニターで車外カメラ映像を楽しめる日本初のシステム「バスビュー」を搭載しています。
同じラグリア・グリーンルームでも、浜坂・湯村温泉~大阪線の運行車両には「バスビュー」モニターはついていません。(公式サイトによると、城崎温泉・豊岡~大阪線でも「一部便限定」とのことです。)
このシステムは「豊岡市内に開学した芸術文化観光専門職大学との交流をきっかけに、学生と若手社員のアイデアから生まれたもの」(全但バス公式サイトより)だそうですよ。
リモコンで電源を入れると、4つの車外カメラの映像が映し出されます。
画面分割等もリモコンで操作できます。
画面左の映像がうまく映っていないのは、恐らくカメラレンズの汚れによるもの。
ちょいと残念ではありますが、車外にあるカメラですから仕方ないですね。
高速道路を走ると、フロントガラスとかフロントグリルとか すぐに汚れるもんね。
*テレビ受信やネット接続機能等はなく、他の映像を映すことはできません。
ちなみに 上の写真の車窓の大きな川は「円山川」。
円山川下流域はラムサール条約に登録されてるんだって!
高速バス初!KDDIのARグラス「NrealLight」無料体験!
乗車時に運転手さんから受け取った、このバッグ。
ARゴーグルの貸し出しサービスのバッグですよ。(期間限定)
KDDI株式会社の協力により、高速バス初の車内サービスとして、最新ARグラス「NrealLight」を用いて「全但バスオリジナル観光地紹介動画」やYouTubeなどの動画配信サービスをお楽しみいただけます。
全但バス公式サイト「全但高速バスの完全個室「グリーンルーム」」ページより
ゴーグル本体の他、アンドロイドのスマホと充電器もバッグに入ってました。
なお、これらARゴーグル一式の入ったバッグは、降車時に「手渡しで」運転手さんに返却します。
その他 電源・テーブル等 充実の装備
足元には、土足厳禁の足置き。
使い捨てタイプのスリッパも用意されています。
靴を脱いで寛げるだけでも、ずいぶんと違うものですよね。
ちょっと写真が分かりにくいですが、レッグレストもあります。
シートの説明と、ドリンクホルダー。
ドリンクホルダーは、テーブルの左側にもあります。
ちなみに、リクライニングとレッグレストの動作は電動ではなく 手動です。
目の前には、大きなテーブル。
エアコン吹き出し口と読書灯は、一般席と同じかな。
写真右下端に、個室ならではの「室内灯」が見えてます。
窓の下に、室内灯のスイッチと電源。
電源コンセントが1口、そしてUSB給電ポート(タイプA)は なんと3口も!
ガジェットの多いひとも安心だね!
なお、車内Wi-Fiサービス(ZENTAN BUS Free Wi-Fi)もあります。
車内で駅弁「かに寿し」を食べる
せっかくの個室高速バスなので 室内でお弁当でもと思い、城崎温泉駅の売店で駅弁「かに寿し」を買ってきました。
浜坂駅の「米田茶店」というお店の「かに寿し」のようですが、なぜか添付のお箸が「淡路屋」(私のお気に入りの 神戸のお弁当屋さん)。
ネットで調べてみると、2019年に生産を終了した「浜坂駅・米田茶店 かに寿し」を淡路屋さんが引き継ぎ。
淡路屋さん製造なんだけど「米田茶店」時代と同じパッケージデザインで生産し、城崎温泉駅などで販売しているそうな。
「かに寿し」とても美味しいんですが、バスならではの「揺れ」のために 少々食べにくかったです。
考えてみれば、新幹線や飛行機のテーブルで食事をしたことはありますが、「バス」で「テーブルを使って」食事をしたことはないかも…
よく考えたら、そりゃあ 新幹線より揺れるよね。
ゴージャスな個室席とは言え「バスに乗ってる」んだもんね…
特に、一般道区間(城崎温泉→和田山ICまで)では バス停・信号での停車や曲がり角・路面凹凸も多く、揺れます。(高速道路走行中は、かなりまし。)
「道の駅あおがき」でトイレ休憩
バスは、始発の城崎温泉駅を出て、玄武洞・豊田町(豊岡)・八鹿駅・和田山駅などに停車し、和田山ICから高速道路(北近畿豊岡自動車道)に入ります。
青垣ICで一旦 高速道路(北近畿豊岡自動車道)を降り、「道の駅あおがき」でトイレ休憩。
この日は10分間の休憩でした。
なお、車内にもトイレはあります。
大阪(阪急三番街バスターミナル)に到着
ほぼ定刻に、大阪(阪急三番街バスターミナル)に到着。
3時間18分(時刻表上)の 日本唯一の昼行個室高速バスの旅、終了です。
運転手さんにARゴーグル一式の入ったバッグを返却し、降車。
安全運行、ありがとうございました。
乗ってきたバスは、このあと大阪(阪急三番街)18時20分発の「105便」として城崎温泉駅へ戻ると思われます。
ラグリア・グリーンルーム(個室)乗車の感想まとめ
・完全個室の 圧倒的プライベート感。
・周囲を気にせずリクライニング可能な、ゴージャスなシート。
・個室料金1,600円というお手頃価格。(一般席4席分なのに)
期待通り すんごい快適でいい旅だったよ!(運転手さんもとてもいい方だったし)
強いてイマイチな点を挙げるとすれば、ゴージャスな見た目の割には座席の「ホールド感」が今ひとつってことかな。
あと、個室内装の「きしみ音」が常に聞こえてる感じ。気になるひともいるかも。
注意点としては、「バスなので揺れる」(新幹線ほど すーっとは行かない)こと。
当たり前っちゃぁ当たり前なんだけど、お弁当食べて改めて気付かされた感じ。
お弁当ひっくり返したり、こぼしたりしないようにご注意!
大阪~城崎温泉 鉄道(JR特急)との比較
記事の最後に、城崎温泉→大阪への移動について、鉄道(JR特急こうのとり・はまかぜ)と高速バス(この便)の比較表を。(2024年8月時点での情報)
城崎温泉→大阪 | 大人1人金額 | 所要時間 |
高速バス「ラグリア」003便 個室席 | 5,700円 | 3時間18分 |
高速バス「ラグリア」003便 一般席 | 4,100円 | 3時間18分 |
JR特急「こうのとり」普通席 | 5,940円 | 2時間54分 |
JR特急「こうのとり」グリーン席 | 8,410円 | 2時間54分 |
JR特急「はまかぜ」普通席 | 5,940円 | 2時間51分 |
・JR特急の金額は チケットレス特急券で「通常期」乗車として計算。(乗車券+指定席特急券)
・こうのとりは18号(城崎温泉発13:29)・はまかぜは4号(城崎温泉発14:14)で所要時間を計算。
・特急はまかぜは、グリーン席なし。
・所要時間は便による違いあり。
以上、日本唯一の「昼行・完全個室バス」、全但バスの「ラグリア・グリーンルーム」に乗ってみたお話でした!
最後までご覧いただき ありがとうございます。
*ご利用の際は、ご自身で最新情報をお確かめください。