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旅行・観光【近畿】

豊臣秀長ゆかりの地「郡山城跡」を歩く

旅行・観光【近畿】

2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公、豊臣秀長(豊臣秀吉の弟)。この豊臣秀長ゆかりの地、彼が拡大・増築し居城としたことで知られる郡山城(奈良県大和郡山市)の本丸跡を、写真盛りだくさんでご紹介します。
「転用石」を多用した野面積みの石垣など 見どころ盛り沢山! ぜひ最後までご覧ください。

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大和郡山市役所北西側の踏切を渡って 郡山城跡へ

大和郡山市役所の北西側にある踏切(近鉄橿原線の踏切)を渡ると、右手(北側)に郡山城のお堀(五軒屋敷堀)が見えます。

上写真のお堀(五軒屋敷堀)を右手に見ながら坂道を上ると、分岐点があります。
どちらの道からも、郡山城・本丸跡への入口にアクセスできます。
下写真青矢印方向へ進むと「追手門」から、下写真黄色矢印方面へと進むと「柳澤神社の鳥居」から郡山城・本丸跡へと入ることができます。
この記事では、黄色矢印方面へと進み、「柳澤神社の鳥居」から郡山城・本丸跡へと入ります。
なお、このあたりはすっかり「お城の中」の雰囲気ですが、けっこうクルマが通りますのでご注意を。

このあたり、木の間から郡山城の内堀が見えますよ。

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柳澤神社鳥居から 郡山城・本丸跡へ

はい、大和郡山市役所北西の踏切から約200mで、柳澤神社に到着。
ここから、郡山城・本丸跡に入りましょう。

金魚のデザインマンホールが。
大和郡山市は金魚の養殖が盛んなんですね。

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柳澤神社

柳澤神社は、郡山城・本丸にある神社。
1880(明治13)年10月に創建された神社で、御祭神は「柳澤美濃守吉保公」(現地案内より)。
「柳澤美濃守吉保公」は、江戸幕府第5第将軍・徳川綱吉の側用人だった柳沢吉保(1659-1714)のこと。 柳沢吉保自身は川越や甲府の藩主だったのですが、長男の柳沢吉里が初代郡山藩主で名君と言われることから、この郡山に祀られているようです。

なお、柳澤神社の創建時(明治13年)の位置は、少し南側の郡山城二の丸跡(現在の奈良県立郡山高等学校の場所)。創建から2年後の1882(明治15)年に、高等学校建設に伴い現在の郡山城本丸跡に移転したそうです。

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豊臣秀長ゆかりの地「郡山城」天守台は展望台に

柳澤神社の拝殿・ご本殿の横を通って北側へ進むと、郡山城天守台が。
郡山城は、2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公、豊臣秀長(豊臣秀吉の弟)が1585(天正13)年に居城としたお城です。この頃の豊臣秀長は 大和国・和泉国・紀伊国の三か国(約100万石)の領主で、元々あった郡山城を100万石にふさわしいレベルに拡大・増築したそうです。

2017年に天守台展望施設が完成

天守台は展望台として整備されています。(2017年春完成)
天守台の石垣は 自然石をそのまま積み上げる「野面積み」(のづらづみ)で造られており、高さは約8.5m・標高は 81mです。

下写真は、特に眺望が開けた感じの「東側」の眺め。
写真中央やや左に、春日大社の近くの「若草山」(芝生に覆われてる)も見えます。

はまぐりくん
はまぐりくん

いい眺めだね~!

おせんべさん
おせんべさん

若草山は、毎年1月の「山焼き」が有名やね。

2014年に「礎石」が発見された

郡山城の天守は文献などがほとんど残っておらず、「本当に天守があったのか」が謎だったようですが、2014年(平成26年)の調査で「礎石」が発見されて、天守が実在したことが確認されました。
また、大阪城(豊臣大坂城)と同じデザインの型で造られた瓦が出土しており、この天守は豊臣政権期に建てられたとされているようです。

郡山城天守台展望施設の利用時間は、時期によって異なります。

郡山城 天守台展望施設 利用時間
4月~9月7時~19時
10月~3月7時~17時
お出かけの際はご自身で最新情報をお確かめください

豊臣秀長が「転用」 お地蔵様を郡山城の石垣に!?

石材不足で「転用石」を大量に使用した郡山城

郡山城のある大和は石材が乏しい地域な上に 築城工事を急いだことで、郡山城の築城には石材が不足。そこで、豊臣秀長は 庭石・寺院の礎石・五輪塔・石臼・石仏やお地蔵さまや墓石までもをかき集め、野面積みの石垣の構築に転用したそうです。
例えば、下写真の石垣の角の石(地面に半埋まりのを合わせて下から3つ)、ちょっと他のと色合いが違いますよね、黄色っぽいというか。これらの石は、平城京「羅城門」の礎石の転用であるとの言い伝えがあるそうです。

はまぐりくん
はまぐりくん

これ(下写真黄色○)なんかも「転用石」じゃない?
明らかに色が違うし、なんか削った跡あるしさ。

おせんべさん
おせんべさん

天守台の「礎石」の写真(2枚上の写真)の真ん中下にも、
文字(梵字)が書かれた石が見えてるわ。

郡山城で一番有名な転用石「さかさ地蔵」

転用石を多用しまくってる郡山城の中でも、たぶん一番有名な転用石が「さかさ地蔵」。天守台北面の石垣にあります。
その名の通り、石のお地蔵さまが逆さまの状態で石垣の一部として利用されちゃってます。

「さかさ地蔵」は、石垣に利用された状態のまま、卒塔婆が立てられて供養されています。

確かに、お地蔵さまが逆さまです。
お地蔵様の大きさは約90cmで、1523(大永3)年の刻銘があるとのことですよ。

はまぐりくん
はまぐりくん

「郡山城の天守が崩壊したのは このお地蔵様の祟りだ!」っていう俗説もあるんだって!

極楽橋 (2021年再建)

極楽橋は、郡山城本丸(天守曲輪)と毘沙門曲輪間の内堀に架かる橋。創建時期は不明ながら、江戸時代前期に描かれた絵図にはここに橋が描かれているそうです。この極楽橋は明治時代に取り壊されて現存しなかったのですが、絵図調査や発掘調査により検討を重ね、2021(令和3)年に再建されました。

はまぐりくん
はまぐりくん

約150年ぶりの「極楽橋」復活!

ぱっと見 木橋に見えますが、橋脚と鉛直ブレース(補強材)には、木板で被覆した鋼材が使われているそうです。安全性と雰囲気の両立ですね。

柳沢文庫

本丸側から「極楽橋」を渡って右手にあるのが、「柳沢文庫」。
柳沢文庫は、郡山藩主だった柳澤家関連の書画や藩政関連資料などの古文書を中心に収蔵・展示する施設。展示室では展覧会も開催されています。
また、ここで郡山城の「御城印」を購入することもできます。

柳沢文庫前の芝生には東屋があります。(飲食不可)

柳澤文庫 展示室
住所奈良県大和郡山市城内町2-18
開館時間9時00分~17時00分
(入館は16時30分まで)
休館日毎週月曜日・第4火曜日(祝日なら開館)
夏期・年末年始・展示替え期間 等 休館あり
例:2025年1月24日まで展示替えのため休館
入館料金
(一部区分のみ表示)
一般 300円
学生(高校生以上) 200円
中学生以下 無料
*閲覧室のみの利用は無料
公式情報URLhttps://www.yanagisawabunko.or.jp/
お出かけの際はご自身で最新情報をお確かめください

両面石仏

柳沢文庫・極楽橋から北へ50mほどのところにあるのが、「両面石仏」。
この両面石仏は、1973(昭和48)年に郡山城の石垣を修復した時に発見されたものだそうです。上の項目で書いた「転用石」だったんですね。
こちらの面には、泰山府君(道教の神)像が彫られています。

そして反対の面には、「お地蔵様」と「十王」が。残念ながらお地蔵様の頭部はありません。
この両面石仏は鎌倉時代後期の製作とされており、他にあまり例のない貴重なものだそうです。

はまぐりくん
はまぐりくん

「亡くなった方は、表面の泰山府君に生前の罪を問われるんだけど、裏面のお地蔵さまによて救われる」ってストーリー(?)を表現してるんだとか。

なお、「十王」は死者の審判を行う役割で、反対面に彫られている「泰山府君」(泰山王)も よく聞く「閻魔王」も十王だそうですよ。

番屋カフェ

「両面石仏」のすぐ横には」「番屋カフェ」が。
この番屋カフェは、明治時代に武家屋敷を移転して建てられた番屋(城内の果樹園の番屋)をリノベーションして2022(令和4)年にオープンしたカフェですよ。

郡山城天守台がよく見えるテラス席も。柵のある席ではペット同伴もOK。

テラス席を天守台側から見るとこんな感じです。

高台なのに水を切らさぬ池

「番屋カフェ」のすぐ北側にあるのが、「高台なのに水を切らさぬ池」。
この「高台なのに水を切らさぬ池」という表現は、案内マップに書いてあるものなのですが、「池の名前」はよく分かりませんでした。
写真奥に郡山城天守台が見えてます。左の垣根の向こうの芝生は、番屋カフェのテラス席ゾーンです。

この日は かなり水が少ない感じでした。

城址会館(旧奈良県立図書館)

「高台なのに水を切らさぬ池」から北東へ70mほどのところにあるのが、城址会館(奈良県指定文化財・旧奈良県立図書館)。
この建物は 奈良公園内に1908(明治41)年に建てられた奈良県立図書館(新築当時は「奈良県立戦捷記念図書館」)の本館で、1968(昭和43)年にここ郡山城跡に移転されたそうです。
現在は、1階の一部のみが土・日・祝日に公開されています。

城址会館 1Fホール
(旧 奈良県立図書館)
住所奈良県大和郡山市城内町2-7
開館時間10時00分~16時00分
開館日土曜日・日曜日・祝日 のみ開館
(平日は閉館・その他臨時閉館あり)
入館料金無料
公式情報URLhttps://www.city.yamatokoriyama.lg.jp/
soshiki/machidukuri_senryaku/rekishi_bunkazai/7/12956.html
お出かけの際はご自身で最新情報をお確かめください

豊臣秀長時代を再現! 郡山城 追手門・追手向櫓・追手東隅櫓

城址会館(旧奈良県立図書館)の南西側にあるのが、郡山城「追手門」「追手向櫓」「追手東隅櫓」。
下写真は「追手門」。
市民運動によって1983(昭和53)年に 豊臣秀長が郡山城を増築した当時の形を目指して再建されたそうです。

さらに1987(昭和62)年には「追手向櫓」「多聞櫓」「追手東隅櫓」も再建されました。

郡山城南御門を移築した「永慶寺山門」

郡山城の本丸内ではないのですが、郡山城に関連して気になるスポットがあるのでご紹介。
こちらは、郡山城・柳澤神社鳥居から徒歩400mほどのところにある「永慶寺」さん。
永慶寺さんのこの山門は、豊臣秀長の時代に建築された「郡山城南門」を幕末に移築したもので、当時の郡山城の建築物の中で唯一現存するものだそうです。(追手門や追手向櫓などは全て再建されたもの)


以上、2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公「豊臣秀長」(豊臣秀吉の弟)ゆかりの地、彼が増築し居城とした「郡山城」(奈良県大和郡山市)のお話でした!

最後までご覧いただき ありがとうございます

*お出かけの際は ご自身で最新情報をお確かめください

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