本州(山口県)と九州(福岡県)の間にある「関門海峡」。下関・唐戸市場や門司港レトロ地区など見どころの多い関門海峡エリアで、観光・移動のポイントとなるのが「関門海峡の渡り方」。この記事では、関門海峡の様々な渡り方をご案内します。
関門海峡を横断する橋と海底トンネル
関門海峡には、橋が1本・トンネルが3本通っています(トンネルの内1本は歩道と車道に分かれている)。また 連絡船も運航されており、5分ほどで下関・唐戸桟橋と門司港を結んでいます。
この記事では、徒歩・船・電車などに分けて、関門海峡の様々な横断方法をご紹介します。

関門海峡の 橋・トンネル・航路 | それぞれの特徴 | 上の地図の 矢印の色 |
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関門橋(吊橋) | ・関門海峡に架かる橋はこれだけ! ・関門道(中国道・九州道直通)が通る *高速道路なので歩行者等通行不可 | 赤 |
関門トンネル人道 | ・歩行者用のトンネル ・観光・散策の方も多い ・自転車・原付OK(乗車不可・手押し) | 黄 |
関門トンネル (国道2号車道) | 国道2号の有料道路 *歩行者・自転車・原付は通行不可 | 黄 |
関門トンネル (山陽本線) | JR在来線の電車が通るトンネル | 青(左下) |
新関門トンネル | 新幹線が通るトンネル | 青(右上) |
航路 (関門連絡船) | 観光客にも大人気のプチ船旅 | 紫 |

関門海峡の「渡り方」(徒歩・船・電車・新幹線・高速バス・クルマ)
【達成感No.1】海底トンネル「関門トンネル人道」を歩いて渡る
関門海峡の海底には国道2号の「関門トンネル」があります。この関門トンネルには「人道」(歩道)が併設されていて、「歩いて」関門海峡を渡ることができます。トンネル中央付近には福岡県と山口県の県境が標示されており、人気のフォトスポットとなっています。
この「関門トンネル人道」徒歩ルートについてはこちらの記事で詳しく解説しています

「自分の足」で関門海峡を渡ることができるのは、この関門トンネル人道ルートだけ!

自転車・原付(50cc)以下もOK(トンネル内での乗車禁止・手押しで通行)なので、レンタサイクルでの関門海峡・門司港~下関観光にも便利です。
【実感はNo.1】関門連絡船で 九州~本州 プチ船旅
関門海峡には連絡船が運航されており、所要約5分で下関(唐戸桟橋)と門司港(レトロ地区)を行き来することができます。

関門橋や行き交う船を見ながらの関門海峡プチ船旅! 関門海峡を渡っている実感は、このルートがNo.1でしょう。
ただ、天候や大きな船の波などの影響で かなり揺れることもありますのでご注意を。
↓関門連絡船が関門海峡を行く様子を動画で覧ください↓
関門連絡船(関門汽船株式会社) | |
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下関側 乗り場 (本州・山口県) | 唐戸市場・カモンワーフ近くの「唐戸桟橋」 (JR下関駅からバス7分「唐戸」停下車) |
門司側 乗り場 (九州・福岡県) | JR門司港駅 徒歩約120m (門司港桟橋・マリンゲートもじ) |
所要時間 | 約5分 |
旅客運賃 | 一般 大人片道:400円 |
運航本数 | 日中毎時3本 |
公式サイト | KANMON LINE 関門汽船株式会社 |
【意外とあっさり】JRの普通電車で (下関~門司間)
関門海峡には、鉄道の海底トンネルも2本通っています。
その内の1本が、JR(在来線)の海底トンネル「関門トンネル」(長さ約3,600m)です。JR山陽本線の「下関」駅と「門司」駅の間にあります。
この区間には日中毎時2~3本程度の電車が運行されており、下関~門司間の所要時間は約6分です。

観光客にとっては「九州と本州を結ぶ海底トンネルを通る」一大イベントですが、乗客はほとんどが地元の方々。特に放送などもなく あっさりと、よく分からないうちに通過しますw

「なんかこのトンネル長いな~」と思ったら、多分そこは関門海峡の海底だよw

なお、関門トンネルを通るほとんどの電車が、下関駅~門司駅~小倉(こくら)駅間、約15分の短距離運転です。
小倉駅は福岡県北九州市の中心駅で、新幹線”のぞみ”号も停まります。
JR在来線(関門トンネル) | |
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所要時間 | 下関~門司 約7分 下関~小倉 約15分 |
旅客運賃 (一般大人) | 下関~門司 230円 下関~小倉 280円 |
運行本数 | 日中毎時2~3本 |
公式サイト | JRおでかけねっと「下関駅」 JR九州 駅情報「門司駅」 JR九州 駅情報「小倉駅」 |
【こちらもあっさり】山陽新幹線で (新下関~小倉間)
関門海峡の鉄道海底トンネル2本の内のもう1本が、新幹線の海底トンネル「新関門トンネル」です。
山陽新幹線の小倉(こくら)駅と新下関駅の間にあります。小倉駅と新下関駅の間のトンネルは、この「新関門トンネル」だけなので 分かりやすいです。

ただ、在来線と同じく案内もなく、あっさりと通過します。車内から見ると他のトンネルと特に変わりもありません。

北海道新幹線で津軽海峡を渡る時は案内があるんだけどね~
なお、小倉駅には”のぞみ”を含む全列車が停車しますが、新下関駅には”のぞみ”は停まりません。(“こだま”と一部の”さくら””ひかり”だけ停車)
この区間だけ乗車予定の方はご注意ください。

*「新下関駅」と「下関駅」は別の駅です。JR在来線の普通電車で2駅離れています。
山陽新幹線(新関門トンネル) | |
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所要時間 | 新下関~小倉 約9分 |
運賃・料金 (一般大人) | 1,200円 (スマートEX自由席) |
運行本数 | 毎時1~3本 |
公式サイト | JRおでかけねっと「新下関駅」 JRおでかけねっと「小倉駅」 |
【高速バス・クルマ】関門橋 (下関IC~門司港IC間)
関門海峡に架かる唯一の橋が「関門橋」(橋長1,068m)。高速道路(関門自動車道)の下関ICと門司港ICの間にあります。高速道路なので、歩行者は通れません。

福岡(天神・博多)~下関駅の 高速バス「ふくふく号」が関門橋を通る
現在、関門橋区間(下関~門司)だけを通行するバス路線はありません(以前はあったが廃止)。
福岡(天神・博多バスターミナル)と下関駅を結ぶ高速バス「ふくふく号」が、この関門橋(関門自動車道)を通ります。
ただ、九州側の出発点が門司ではなく福岡(天神・博多)なので、「関門橋を渡るため」だけに乗るにはとても遠回りです。
高速バス(ふくふく号) | |
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所要時間 | 博多バスターミナル~下関駅:約2時間 福岡天神~下関駅:約1時間40分 |
運賃 | 一般大人:1,700円 |
運行本数 | 12往復/日 (天神発着8往復+博多発着4往復) |
公式サイト | 西鉄バス 福岡~下関(ふくふく号) |
関門橋を通って九州と本州の各都市を結ぶ高速バスは「ふくふく号」の他にも多数運行されていますが、いずれも「ふくふく号」以上に長距離を走ることになります。
関門橋をクルマで
もちろん橋上からの眺めがいいですが、運転者はわき見にご注意。
上り線は九州側に「めかりパーキングエリア」、下り線は本州側に「壇之浦パーキングエリア」がありますので、そこから関門海峡と関門橋をゆっくりと眺めましょう。各PAに関門海峡グルメもありますよ。
関門橋(関門自動車道) | |
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橋の長さ | 橋長1,068m / 最大支間長712m |
下関IC~門司港ICの距離 | 4.3km |
下関IC~門司港ICの ETC料金 | 280円 休日・深夜:200円 |
公式サイト | NEXCO西日本 ・関門橋リフレッシュ工事 |
関門橋がある高速道路「関門自動車道」は、中国自動車道・九州自動車道と直通です。
*関門橋は、2025(令和7)年8月上旬までリフレッシュ工事中です。(専用公式情報ページあり)
【路線バスなし】国道2号「関門トンネル」をクルマで
国道2号に、西日本高速道路九州支社が管理する有料道路トンネル「関門トンネル」(関門国道トンネルとも)があります。
現在、関門トンネルを通る路線バスはありません。
門司側のトンネル入口では、下関名物フグが大きな口を開けて待ち構えていますw

*有料道路ですがETCは使えません。ETCカードの手渡し利用もできません(大口多頻度割引”ETCコーポレートカード”は手渡し利用可)。クレジットカードの手渡し利用はできます。
*50cc以下の原付や自転車はこの関門トンネル車道を通行できません。(関門トンネル人道を手押しで通行)。
関門トンネル(国道2号車道) | |
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全長 | 3,461m |
普通車料金 | 160円 (ETC不可) |
関門海峡の「渡り方」まとめ
関門海峡を渡る方法をまとめます。詳しくは記事本文をご覧ください。
渡り方 | 交通 | 所要時間 | 料金(一般大人) |
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徒歩 (トンネル) | 関門トンネル人道 | 約15分 | 徒歩:無料 自転車・原付:20円 |
船 | 関門連絡船 (下関唐戸桟橋~門司港) | 約5分 | 400円 |
電車 (トンネル) | JR下関~門司 | 約7分 | 230円 |
新幹線 (トンネル) | 新下関~小倉 | 約9分 | 1,200円 (スマートEX自由席) |
高速バス (橋) | 福岡(天神・博多)~下関駅 “ふくふく号” | 約2時間 (博多BT~下関駅) | 1,700円 |
クルマ (橋) | 下関IC~門司港IC (高速道路) | 約4分 (下関IC~門司港IC) | ETC料金:280円 |
クルマ (トンネル) | 国道2号 | 約5分 | 160円 (ETC不可) |
以上、関門海峡を渡る色々な方法のお話でした!
最後までご覧いただき ありがとうございます。
*お出かけの際は ご自身で最新情報をお確かめください